セルフタップを利用するなら、ぜひとも知っておきたいテクニックの1つ
「予備穴」を紹介します
セルフタップは繰り返し着脱するとネジ溝が崩れてきます
そんな時のために、予備の穴を用意しておくと便利です
セルフタップとは?


セルフタップビスは樹脂のセルフタップボスにネジ溝を切りながら部材を固定できます
下穴にネジ加工をする必要がないのでコストを抑えることができます
繰り返し着脱でネジ溝が崩れてしまう
セルフタップビスはビス自身にネジ溝を切る力があります
そのため、繰り返し着脱すると、何度もネジ溝が切られてしまいます
以下の図で見ていきましょう

一度止めたセルフタップビスを外してみると・・・
断面はこのようになっているはずです

これをもう一度とめてから・・・

また外すと・・・

このように着脱を繰り返すたびに、新しいネジ溝が切られていきます
やがてネジ溝がボロボロになって、部品を固定できなくなってしまいます
セルフタップの繰り返し着脱が想定されるケース
セルフタップを繰り返し着脱することは、あまりないと思っていますか?
案外繰り返し着脱されるケースは多いです
代表的なケースを挙げておきます
■製品開発段階
・試作品の組立性の検証で繰り返し組み立てを行う
・試作品の実験で分解検討を行う
・コストダウンのために部品の追加/廃止検討を行う際に組みバラシする
■量産段階(製品最終形状)
・メンテナンス部にアクセスするために着脱が必要
・セルフタップビスで止めている部品がサービスパーツ(交換部品)に割り当てられている
サービスパーツ(交換部品)に割り当てられるのは、
寿命の短い電気部品や、使用限界のある消耗品です
寿命の短い電気部品:ファン、モーター、バッテリー、ランプ
消耗品:フィルター



予備のセルフタップボスを用意しよう
セルフタップビスの繰り返し着脱が想定される場合は、
予備のセルフタップボスを用意しましょう
近い位置に二つセルフタップボスと穴を用意しておきます

上から見た図はこうなります

〇穴と□穴があるのは本命(普段使う穴)と予備の穴を見分けるためです
見分けがつけば他の方法でもかまいません
一度とめた後はこんな感じです

予備で用意しておいた□穴は基本的に使わないため、
セルフタップの下穴が新品状態です
予備のセルフタップボスは例えば次のような運用が考えられます
■運用方法(例)
顧客からの修理依頼で戻ってきた製品のメンテナンスを行った際には、
□穴を使って組み立てる
修理依頼品ですでに□穴にビスが止まっていたさいには、
部品交換(セルフタップボスの部品を交換)とする
セルフタップビス組立のテクニック ”一度逆回し”
試作品の組み立てなど、自分自身でセルフタップビスを扱う場合、
ほんの少し気をつけるだけで、セルフタップボスを長持ちさせることができます
その方法とは、
”セルフタップビスをつける際に、一度逆回ししてから締め付ける” です
上で述べた通り、セルフタップビスを繰り返しつけると
何度もネジ溝が切られてボロボロになってしまいます

セルフタップビスを締める前に、ビスを軽く押し付けた状態で逆回しすると
1回目で切られたネジ溝にはまる感触が伝わってきます
その状態でセルフタップビスを締めれば、
1回目と同じネジ溝に入っていくので、新しいネジ溝が切られることがありません
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