板金でスナップフィットをつくる方法 設計事例つき!注意点も解説

スナップフィット

金属/板金のスナップフィットの設計事例を紹介します。
スナップフィットで金属を使うメリット、設計時の注意点も解説します。

ハジメ
ハジメ

樹脂のスナップフィットはよくあるけど・・・
金属のスナップフィットもあるのかな?

ベン
ベン

板金でスナップフィットをつくることもできるよ
特徴や注意点もあわせて教えてあげよう

スナップフィットとは

スナップフィットとは
材料を変形させたときに、元に戻ろうとする力を利用する結合方法のことです。

ネジや工具を用いることなく、部品を締結することができます。

板金のスナップフィットの特徴

板金(金属)のスナップフィットと樹脂のスナップフィットの特徴を比較してみましょう。

金属のスナップフィット
  • 破損しにくい
  • コストが安い
  • 複雑な形状は苦手
  • 寸法精度が低い
  • 経年劣化しにくい
  • 温度による寸法変化が少ない
樹脂のスナップフィット
  • 破損しやすい
  • コストが高い
  • 複雑な形状も可能
  • 寸法精度が高い
  • 経年劣化しやすい
  • 温度による寸法変化が大きい

金属のスナップフィットの特徴を一つずつ説明していきます。

破損しにくい

樹脂のスナップフィットは耐荷重を超えるといきなり割れる恐れがあります。
金属の場合は、塑性変形しても割れるリスクは小さいです。
繰り返し着脱する場合にも、金属の方が耐久性があります。

壊れたスナップフィット

コストが安い

一般的に樹脂金型部品よりも板金部品の方がコストが安い場合が多いです。

複雑な形状は苦手

板金の部品は1枚板に展開できる必要があります。
あまり複雑な形状は加工できないか、2部品以上で構成されてしまいます。

寸法精度が低い

一般的に樹脂金型部品よりも板金部品の方が精度が低いです。

経年劣化しにくい

樹脂のスナップフィットは長い時間がたつことで、強度が劣化しやすいです。

家の古い家電でスナップフィット爪が簡単に割れてしまった経験はありませんか?

温度による寸法変化が少ない

スナップフィットでよく使われる、「樹脂(ABS)」と「金属(SECC)」の温度膨張率を比べると、5倍以上の差があります。

ABS: 65×10^(-6) /℃

SECC: 11.7×10^(-6) /℃

板金スナップフィットの設計事例

板金スナップフィットの設計事例を紹介していきます。

穴タブがついた板金のスナップフィット1

穴がついた板金がスナップフィットの腕としてたわみます。
相手部品は樹脂の突起です。

穴タブがついた板金のスナップフィット

穴タブがついた板金のスナップフィット2

相手部品が金属の場合はエンボス/半貫などで突起を作ります。
かかり量が少ないので、引張に対する抜け止めは期待できません。

穴タブがついた板金のスナップフィット

切り起こし形状のスナップフィット

板金の切り起こし形状部分がスナップフィットとして機能します。
樹脂ボスの段差にはまって抜け止めになります。

切り起こしスナップフィット
切り起こしスナップフィット組立

切り起こし形状のスナップフィット

同じく板金の切り起こし形状部分がスナップフィットとして機能します。
樹脂部品の穴に差し込むと、内部の縦穴部分で切り起こしが引っ掛かるようになります。

切り起こしスナップフィット挿入
切り起こしスナップフィット断面図

M曲げによる弾性ツメ

板金全体をバネにして、空いて部品にはまります。電気コネクタなどによく見られます。

Coming soon…

板金2回曲げによるスナップフィット

板金を2回曲げることで爪形状を作ります。
引張に対する強度は期待できません。

腕のみ板金、先端は樹脂カバー爪のスナップフィット

こちらは例外的な、樹脂と板金の合わせ技です。
腕の部分は板金で強度があります。
先端の爪部分は樹脂のかぶせモノです。

引張に対する強度も期待できます。
金属の爪部はエッジが危ないので、保護のためにつけたりします。

板金スナップフィット樹脂キャップ
板金スナップフィット樹脂キャップ_背面
板金スナップフィット樹脂キャップ_断面図

板金スナップフィット 設計上の注意点

板金でスナップフィットをつくる際の注意点を解説します。

エッジをケアする

板金を加工すると、バリやカエリといった不良が意図せず発生します。
スナップフィットの機能面にバリがあると、スナップフィットがはまりにくくなります。
スナップフィットの機能面には面打ち(稜線をつぶす処理)や面取りを施します。

ベン
ベン

バリの管理はかなり難しいからな
面打ちや面取りを指示しないなら、どんな端面がきてもおかしくないぞ

分解する仕組みを用意する

板金に限った話ではないですが、スナップフィットは外し方も考えておきましょう。
図はドライバーなどの工具を通す穴が開いており、スナップフィットを外すことができます。

あわせて読みたい

樹脂スナップフィットの記事ですが、スナップフィットの外し方の設計思想について説明しています。こちらも参考にしてください。

まとめ

板金(金属)のスナップフィットの特徴・設計事例を紹介しました。

また、設計時の注意点を解説しました。

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