板金の展開に関するキホンとノウハウ

板金

板金の展開に関する基本的な考えを解説します。
あわせて注意点やノウハウも紹介していきます。

ハジメ
ハジメ

「板金を展開する」って何ですか?

とりあえずサイコロの展開図みたいに開けばいいんですか?

ベン
ベン

考え方はそれであってるよ

ただ板金展開にはちょっとしたルールノウハウがあるから、
今回はそれについても教えてあげよう

板金の展開とは

板金に施された曲げや絞りなどの加工を解除し、元の一枚板の状態に戻すことを展開といいます。

板金部品は元々一枚板から加工していきます。
板金部品を設計する際には、一枚板から加工されることを考慮する必要があります。

展開の基本的な考え方

図のような曲げ部を展開する場合、展開したときの長さLは次の式で求められます。

板金を曲げると、曲げ部の内側は圧縮され短く、外側は伸ばされて長くなります。
曲げの前後で長さが変わらない線が中立軸です。
中立軸は中心ではなく経験的に内側40%程度の位置にあります。

中立軸を基準に展開することでより簡易的に寸法が求められます。
全ての曲げ部に適用することで展開図が得られます。

CADソフトを利用した展開図の作成


実務ではCADソフトの板金展開機能を利用することがほとんどです。

板金の形状を変更するたびに展開の計算をし直すのは大変です。
展開機能を備えたCADツールがある場合は積極的に利用しましょう。
なお、CADで展開する際も、基本的な考え方は上で説明した通りです。

この例ではフリーでも利用できるCADソフト FUSION360の展開機能を見てみましょう。
曲げ加工を複数施した部品を展開すると、一枚板に戻すことができました。

元の板金の形状を変更すると、展開図にも反映されます。
修正のたびに展開寸法を計算する必要がなく楽チンです。

展開できない形状

展開したときに干渉する形状はNGです。
板金部品は一枚板から加工するので、展開すると干渉する形状は加工できません

下の例では曲げ部を展開すると、干渉してしまいます。
干渉を避けるために、部品の形状や曲げ方向を修正しましょう。

加工代・逃げを確認する

板金を加工する上で十分な加工代・隙間があるか確認しましょう。

展開して干渉してなくても、「隙間」や「逃げ」がないと加工できません。

下の図は腕の部分を展開しても干渉はしていません。
しかし、腕を曲げる前には腕のまわりを打ち抜く加工をします。

隙間が狭いと打ち抜き加工ができません
隙間は目安として2t確保しましょう。(板厚の倍)

下の図は板金のフチからいきなり曲げが始まっています。
このような形状だと、曲げた際に曲げ周辺部が引っ張られて変形してしまいます。


変形を避けるためには、下図のように曲げ逃げと呼ばれる切欠きを設けます。
目安として曲げ逃げは深さ2t、1.5t確保しましょう。

材取りを意識した展開

展開したときにムダなく並べられる形状にしましょう。

板金部品を量産する場合は、元の大きな一枚板(ロール)から、部品を切り取るように加工します。
ムダなく並べられないと、捨てなければならない部分が増えて、コストアップになります。

左の図は伸ばした腕の部分のせいでムダな箇所ができてしまいます。
余った部分は捨てるしかなくもったいないです。
右の図は腕を腕の部分を内側から曲げることで、ムダなく並べることができました。

Coming soon…

参考

ちなみに元の大きな板金(ロール)から、
たくさん部品が取れることを「材取りが良い」、
ムダが多い場合に「材取りが悪い」と表現します。

まとめ

  • 板金の展開とは、加工前の一枚板の状態に戻すこと
  • 曲げの前後で長さが変わらない中立軸に沿って展開する
  • CADの展開機能を利用すると計算の手間が省ける
  • 展開時に干渉する形状はNG
  • 加工に必要な隙間・逃げがあるか確認する
  • 材取りを意識してムダなく並べられる形状にする

コメント

  1. […] […]

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