セルフタップの設計テクニック 締め付けトルクを統一する

セルフタップ

セルフタップを利用するなら、ぜひとも知っておきたいテクニックの1つ
「締め付けトルクを統一する」について解説します

セルフタップは下穴径、ネジ込深さで締め付けトルクが変化します
締め付けトルクを揃えるメリットと、設計事例を紹介します

セルフタップとは?

セルフタップビスは樹脂のセルフタップボスにネジ溝を切りながら部材を固定できます
下穴にネジ加工をする必要がないのでコストを抑えることができます

セルフタップの締め付けトルクとは?

締め付けトルクとは、
セルフタップビスを締める際に必要な、ドライバーから伝わる回転トルクのことです

手回しのドライバーなら、トルクドライバーというトルク管理できるドライバーがあります
設定したトルク以上では、ドライバーが空転する仕組みになっています

ダイヤルを回してトルク設定できる

電動ドライバー/HIOSでもトルク設定できるものがあります
トルクが一定以上では動作停止するようになっています

出力トルクを調整できる

セルフタップの締め付けトルクを統一しよう

セルフタップの締め付けトルクは、統一されているのが理想です

締め付けトルクを揃えるメリットは下記の通りです

締め付けトルクを揃えるメリット
・セルフタップ部の機能が安定する
・組立工具を共通化できる

セルフタップ部の機能が安定する

締め付けトルクが小さいと・・・


セルフタップビスは下穴径が小さいと、またネジ込量が大きいと
摩擦がどんどん大きくなっていきます

部品を締結する前に締め付けトルクに達してしまい、
部品の締結力が弱かったり、セルフタップビスの浮きの原因となります

組立直後で問題なくとも、時間経過や試験後にビスが緩むこともあります

よく見ると浮いてる!?

締め付けトルクが大きいと・・・

部品を締結した後も、ネジがどんどん回って
ボス材を引き寄せる力が大きくなります
結果としてボスの破損につながります

トルクが高すぎです

こちらも組立直後に問題なくとも、試験後にボスが割れていることがあり注意が必要です

組立工具を共通化できる

製品全体や組立ユニット全体で締め付けトルクが統一されていると、
工具の設定をいちいち変える必要がありません

同じ工具・同じ設定で締め付け作業を行うことができるため、
時間短縮になるだけでなく、工具の設定ミスを減らすことができます

締め付けトルク統一のための設計事例

締め付けトルクを統一するための設計事例を紹介していきます

〇肉厚違いの部品の締め付けトルクを統一する

白と青の厚みの異なる部品をオレンジに締結する場合です

青の部品がプラスチックなど形状の自由度が高い部品の場合、
“ザグリ”と呼ばれるネジ部の一段下げる形状を設けることで、
締め付けトルクを統一することができます

〇締結する部品形状の自由度が低い場合

例えば、分厚い基板(自由度低い)と薄いシールド板金を締結する場合など、
このような状況になりがちです

この場合は、セルフタップボスに”逃げ”を設けることで締め付けトルクを調整します

セルフタップビスのかかり量(ネジ山が何山かかっているか)が
少なくなりすぎないよう注意してください

〇締結する樹脂部品のボスで調整する場合

締結する部品のネジ座をボスにすることでも高さ調整が可能です
裏側のスペースに制約がある場合などに、活用できます

締結部品側のボスで高さを調整

締結する部品が板金の場合、
板金の絞り加工(バーリング)でも似た形状が作れますが、こちらは推奨しません

バーリング

ネジ座にあたるバーリングの端面はメーカーでもコントロールが難しいためです

バーリング端面が傾いたり、バリなどの想定しない形状となる可能性があり
部品をうまく締結できないリスクが残ります

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