セルフタップ下穴の設計 トラブルを未然に防ぐノウハウを紹介

セルフタップ

セルフタップの下穴に関する基礎を解説します。
よくある設計トラブル・トラブルを防ぐための設計ノウハウを紹介します。

ハジメ
ハジメ

セルフタップの設計ね
『セルフタップ 下穴』で検索っと・・・

ハジメ
ハジメ

下穴径は1.4mmでいいのか~

ベン
ベン

まさか
それで完成じゃないだろうな・・・

ハジメ
ハジメ

ベン
ベン

穴径やボス径以外にも気を付けることがたくさんあるぞ
そのへんの設計ノウハウを教えてあげよう

セルフタップビスとは?

セルフタップビスとは、相手部材にネジ溝を加工しながら、部品を締結できるビスのことです。

下の例では、樹脂のセルフタップボスにネジ溝を切りながら部材を固定しています。
ナットを用意したり、事前にネジ加工をする必要がないのでコストを抑えることができます。

 

セルフタップの下穴径

セルフタップは下穴の設定が命です。
寸法設定が適切でないと、締結の際に不具合が発生します。

詳細な寸法設定は以下のサイトが参考になります。

株式会社ウィルコ様の技術資料
https://wilco.jp/docs/technical-data/tec_10.html

ネジクル ネジの百科事典
https://www.tsurugacorp.co.jp/dictionary/tapping_drill/tapping_drill_tapping.html

※材質や条件によって調整してください。
セルフタップの強度は必ず試作にて確認しましょう。

下穴径が小さい/長い

下穴径が小さい、またはネジのかかりが長いと
締め付けるのに大きなトルクが必要になってしまいます。

大きな力で無理やり締めると、ボスが割れる恐れがあります。

下穴径が大きい/短い

下穴径が大きい、またはネジのかかりが小さいと
締結力が弱くて部品が取れることがあります。

強い力で締めるとネジバカになる恐れがあります。(ネジ山がくずれてしまうこと)

セルフタップボスの肉厚を調整する

樹脂のセルフタップのボスは母材に対して均肉~薄肉になるよう調整しましょう。
下穴の深さも肉厚を意識して、均一になるようにします。

母材に対してボス部分の肉厚が大きいと、成型後の樹脂が冷めて収縮するまでに時間差が生じます。
この収縮のタイミングの差によって、収縮変形を起こしてしまいます。

ボスの裏側にヒケと呼ばれる成型不良が現れます。
また、重要なセルフタップの下穴の寸法・形状が収縮時に変化してしまいます。

セルフタップボスを補強する

セルフタップビスを締めた際に、ボスが割れないように補強しましょう。

ヒケが発生しないようにボスを薄くすると、セルフタップビスを締めた際に割れやすくなります。

ボス周囲は肉厚を増やすのではなく、リブで補強しましょう。
リブを厚くするとヒケが発生するので、根本の半分以下にしましょう。目安は4割です。

根本から破損することもあるので、根本にRをつけましょう。

セルフタップ下穴の貫通は避ける

セルフタップの下穴を貫通させたくなることがありますが、
基本的にセルフタップ下穴の貫通はNGです。

セルフタップビスは少なからず、下穴側の部品を削ります。
削りカスが貫通穴を抜けて、製品内に落下することでトラブルになる恐れがあります。

下図は実際に日本の家電メーカで起こった事例です。

板金部品のバーリングで下穴を作り、セルフタップビスを使い部品を止めました。
この例では、削りカスが基板に落ちてショートを起こし、発煙事故に繋がりました。

樹脂のセルフタップボスでスペースがない場合にも、下穴を貫通させたくなるので注意してください。

ハジメ
ハジメ

自分の設計トラブルで製品回収さわぎになったら・・・

セルフタップ下穴で締め付けトルクを調整する


製品全体でセルフタップビスの締め付けトルクが等しくなるように、
セルフタップの下穴形状を調節しましょう。

セルフタップビスの締め付けトルクが等しければ、
工具を複数用意する手間が省けます
また、トルク設定ミスなどの組立トラブルを防ぐこともできます。

セルフタップビスは製品全体で統一して同じものを使います。
締結する部品は、厚さの異なる板金や基板です。
また、部品を共締めする際にも厚みが変わります。

上図は下穴に逃げ形状を設けています。
締結部品の厚みが異なっても、ビスのかかりが等しいので、締め付けトルクは等しくなります。

下図のように相手部品にザグリを設けて調整することもできます。

セルフタップ下穴に面取りを設ける


セルフタップの下穴には面取りを設けましょう。

面取りなどのガイドがないと、セルフタップビスがナナメに入ってしまいます。

ナナメのままでも相手部材にネジ溝を切りながら、ある程度は進みますが、
最後まで締まり切りません。

外してもナナメのネジ溝が残ってしまうので、使いまわすこともできません。

セルフタップ下穴の設計に関するまとめ

セルフタップの下穴に関する基礎と設計ノウハウを解説しました。

  • セルフタップは適切な下穴径を選ぶ
  • セルフタップボスの肉厚を調整する
  • セルフタップボスを補強する
  • セルフタップ下穴の貫通は避ける
  • セルフタップ下穴で締め付けトルクを調整する
  • セルフタップ下穴に面取りを設ける

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