はめあい公差の決め方

はめあい

はめあい公差で部品を組もうとすると、はめあい公差にたくさんの種類があり、
どれを使えばいいのか分からなくなりますよね。

あなたがはめあい公差を選定した場合、選定理由を説明できますか?

今回は、はめあい公差の決定方法をフローチャートを用いて優しく説明します。
この記事を読めば、もうはめあい公差を決めるときに迷うことはなくなります。

はめあいとは

互いにはまり合う軸と穴の寸法・公差を設定し、
軸と穴の関係性を定めることをはめあいといいます。
嵌合(かんごう)も同じ意味です。

はめあいを利用することで、部品同士を高精度に組み立てることができます。

下のイメージはハウジングの穴にベアリングをはめあいで固定しています。

はめあいの基礎についてもっと詳しく知りたい方は、まずコチラの記事をどうぞ。
はめあいの種類、はめあい記号の読み方などを解説しています。

はめあい公差の決め方 フローチャート

ズバリ!いきなり結論を申し上げますと、下記のフローチャートに従って選べば問題ありません。

詳しい内容と理由を順番に説明していきますね

市販部品・購入部品のはめあい公差

市販品・購入品はメーカー推奨のはめあい公差を採用しましょう。
市販品・購入品の場合、メーカー側から推奨のはめあい公差を公表していることがあります。

これは各メーカーがこれまでの企業活動を通じて培ったノウハウが詰まっています。
メーカー内で設計や実験をしたり、ユーザーからの様々なクレームに対応して洗練された値です。

余程の理由がないかぎりは、この推奨値に従いましょう。

また、公表していない場合でも、各メーカーに直接問い合わせてみましょう

ネットなどで公表していないだけで、メーカーは間違いなくノウハウを持っています。
使用方法などを伝えれば、適切なはめあい公差を決定するために、協力してくれるはずです。

例えば以下のような部品は、メーカー推奨のはめあい公差が公表されています。

ベアリング


NTN
カタログ請求からどうぞ

https://www.ntn.co.jp/japan/index.html

位置決めピン

ミスミ
各製品ページのカタログ資料からどうぞ

https://jp.misumi-ec.com/

トルクリミッタ(キー溝)

三木プーリ
技術資料からどうぞ

https://www.mikipulley.co.jp/JP/

こういった市販部品のはめあい公差の決定理由を
レビューや第三者に説明する際には、「メーカーの推奨値です」で問題ありません。

過去の実績を適用する

自社で設計している部品であれば、過去の実績を採用しましょう

自社であっても、過去の実績というのは立派なノウハウです。

自社の過去実績で採用されているはめあい公差は、以下を満たしていることになります。

  • 社内外の試験を無事通過した。
  • 自社と付き合いのあるメーカーで加工・組立ができた。
  • 製品をユーザーが使用していて問題がない。

逆に考えると、以下がなるべく同じ製品・部品のはめあい公差を持ってくる必要があります。必ず全てを満たす必要はありませんが、変わる部分には注意が必要です。

  • 製品・部品が同じようなサイズ感
  • 同じ試験が行われる
  • 加工・組立を行うメーカーが変わらない
  • ユーザーの使い方が同じような製品・部品

例えば・・・
自社で設計したプラスチック部品Aのはめあい公差がH9g9
加工するメーカーが以前と変わった。

⇒H9g9で加工できるかメーカーに確認しましょう。

はめあい公差の決定理由をレビューや第三者に説明する際には、
過去の実績部品の情報を整理しておきましょう

「〇〇部品」と同じはめあい公差にしています。
使い方やサイズ感などは同じなため、問題ありません。
と説明すれば、深く突っ込まれることもないでしょう。

JISのはめあい公差を適用する

市販品でもなく、自社内にも参考にできそうな過去実績がない部品の場合、いよいよ手掛かりがなくなります・・・

実はJISでもはめあい公差の選定基準が掲載されています
JISのはめあい公差の選定基準を参考にしましょう。

https://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISSearch.html

日本中の様々な企業で、最適なはめあい公差をいちいち調べていたら、日本全体で大きな損失になってしまいます。

そこでJISでは多くの企業・専門家の協力をもとに、はめあい公差の目安をつくり公表しています。

あなたがこれから新しい部品を設計する場合にも、遠慮することなくこれを使わせてもらいましょう。

はめあい公差の選定目安はJIS B 0401に記載されています。
JISのHPで文献番号から検索すれば閲覧できます。

下記のように、比較的分かりやすく記載されているので、参考にしましょう。

JIS B 0401より一部抜粋編集

適用部分
適当なすき間があって運動のできるはめあい(上質のはめあい)。
グリース・油潤滑の一般常温軸受部。

⇒H6f6を適用する

ちなみに・・・

JISが公表しているはめあい公差の目安よりも、自社の過去実績の方が優先されるのか?と疑問に思う方もいるかもしれません。

JISのはめあい公差はさまざまな企業・業界の実績をもとにしています。
自動車のような大型の部品、高温で負荷のかかるものから、
スマホのように超小型の精密機器にも同じ基準ではめあい公差が選ばれてしまいます。

業界によっては「こんなはめあい公差使わないよ!」とか「こんなはめあい公差じゃ組めないよ!」となることもしばしば・・・

なので自身の設計している製品・部品により近い、過去実績からはめあい公差を選んだ方が、実際の状況にあった最適な設計となるのです

まとめ

はめあい公差の決め方をフローチャートを用いて解説しました。
このチャートに従えば、最適なはめあい公差を迷うことなく選ぶことができますよ!

はめあいに関する知識・設計テクニックをまとめています。
ぜひ活用してください!

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コメント

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