はめあいとは
互いにはまり合う軸と穴の寸法・公差を設定し、
軸と穴の関係性を定めることをはめあいといいます。
嵌合(かんごう)も同じ意味です。
はめあいを利用することで、部品同士を高精度に組み立てることができます。
下のイメージはハウジングの穴にベアリングをはめあいで固定しています。


はめあい公差には大きく3種類ある
実際にものを加工すると多少なりともバラツキ(公差)ができます。
はめあいはバラツキを含めた軸と穴の関係性によって大きく3種類に分けられます。
穴と軸の断面図を使って説明します。



すきまばめ
公差によらず穴と軸の間に必ず隙間がある関係をすきまばめといいます。

中間ばめ
公差によって隙間ができたり、できなかったりする関係を中間ばめといいます。

しまりばめ
穴と軸の間に隙間がない(干渉している)関係をしまりばめといいます。
はめあい公差寸法の見方
はめあい公差寸法の見方についても説明しておきます。
初めて図面や資料ではめあい公差寸法を見たときには、ビックリするかもしれません
実はそんなに難しくないので慌てる必要はありません。
図面や資料では、だいたい下のイメージのようにはめあい部分の寸法がかかれています。

はめあい公差寸法は、
“数字+小英字+数字+大英字+数字”で表現されます。
意味は次のようになっています。

基準寸法とは、軸や穴のはめあい公差を適用する前の寸法です。
だいたい20mmの軸と穴という意味です。
公差域のアルファベットは”すきまばめ”や”しまりばめ”の程度を示しています。
公差精度の数字は公差(バラツキ)の幅を示しています。
小さくなるほど、公差が厳しくなります。
実際にどのような寸法に加工するかは、JISで一覧表にまとめられています。
暗記する必要もありません。
軸を加工する際には、一覧表から”g6″を探します。
穴を加工する際には、一覧表から”H7″を探します。
はめあい公差一覧の使い方
はめあい公差はJISで規格化されています。
ほんの一部を抜粋しますが、軸・穴それぞれこのような一覧表があります。

先ほどのはめあい公差寸法を調べてみましょう。

まずは軸のはめあい公差寸法を調べます。
基準寸法は”20mm”なので、基準寸法の区分は”18を超え”、”24以下”です。
公差域クラスは”g6″なので、”g6″の欄を見ます。


“-7″、”-20″と書かれています 単位はμmです(1/1000mm)
20(-0.007/-0.020)mm
すなわち、19.980~19.993mmにしてください という意味です。
もう1例、穴のはめあい寸法公差も調べてみましょう。
基準寸法は”20mm”なので、基準寸法の区分は”18を超え”、”24以下”です。
公差域クラスは”H7″なので、”H7″の欄を見ます。


“21”、”0″と書かれています 単位はμmです(1/1000mm)
20(+0.021/0)mm
すなわち、20.000~20.021mmにしてください という意味です。
便利ツール
毎回表から探して読み取るのは大変なので、便利ツールを作成しました。
注意書きを読んだ上で、自己責任で活用してください。
便利ツール:
Coming soon…
はめあい公差の選び方
設計者の場合は、自分ではめあい公差を選ぶこともあるはずです。
はめあい公差の選び方をまとめたので、ぜひご覧ください。
はめあいに関する知識・設計テクニックをまとめています。
ぜひ活用してください!

はめあい,嵌合に関する設計ノウハウをまとめています
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