EMC対策設計の基本! 基板・金属をつなぐ

EMC(電気設計)

機械設計者向けにEMCについて簡単に説明します。

設計者が抑えておくべき、
EMC対策の基本となるグランドまわりの設計について解説します。

ハジメ
ハジメ

EMCって何ですか?よく知らないけど電気のことですよね?

電気設計の担当分野じゃないんですか?

ベン
ベン

機械設計者もEMCに対する知識と配慮が必要だぞ

EMCとは?

EMC(Electromagnetic Compatibility)とは、
機器が外部に電磁的ノイズを出さず(EMI)、
外部からの電磁的ノイズに耐性がある(EMS)状態のこと。

EMC=EMI + EMSと考えることができます。

あなたの身の回りにはPC、スマートホン、TV、電子レンジなど
さまざまな製品があると思います。

あなたが製品を設計する際には、
周囲の製品に悪影響を及ぼさないよう電磁的ノイズを出さないこと(EMI)、
周囲の製品からの電磁的ノイズの中でも安定して動作すること(EMS)
が求められるのです。

ハジメ
ハジメ

ウチって電子レンジを使うと、
Wifiが繋がらなくなるんですよ

ベン
ベン

PCのメモリを増設するときには、
静電気に注意が必要だよな

EMC対策の機械設計の基本

EMC対策の基本は、
『PCB(基板)のグランドとすべての金属部品を電気的に接続すること』です。

PCBは外部からの電気ノイズに対して非常に弱いです。

身近な例では、静電気が生じただけでもPCBの素子が破損し、
製品が機能しなくなることがあります。

PCBのグランドが大きな金属に接続されていると、
PCBに飛んできた静電気は、グランドを通じて製品外部へと流れていくため、
PCBの故障を防ぐことができます。

PCB以外にも製品内に電気的につながっていない金属があってはいけません
(こうした金属部品を「浮いている」なんて表現します。)

外部からきた静電気が浮いている部品に蓄えられて、
そこからPCBなどの重要な部品に飛ぶことがあるためです。

PCBのグランドとすべての金属をつなぎ、
強力なグランドで保護することがEMC対策の基本となります。

ベン
ベン

EMC対策としてPCBのグランドや金属部品を接続する際の
具体的な設計事例をみていこう

EMC対策設計 PCBのグランドと金属筐体をネジ固定

金属筐体にPCBをネジ固定する場合は、
PCBのネジ止め部にグランドを設けます。

最も基本的なPCBのグランド接続方法です。

PCBへ飛んできた電気ノイズはグランドパッドから、
金属筐体へと流れていきます。

注意点として、
あくまで電気の流れはPCBのグランドパッド➡金属筐体です。
ネジ部に電気が流れるかは不確かなので注意が必要です。

グランドパッドなどの接点は固定部に指示します。

また、金属筐体に塗装やアルマイトなどの酸化膜がついていると、
電気が流れないことがあります。
接点には塗装を剥がす指示が必要です。

EMC対策設計 PCBのグランドを板バネ板金で接続

PCBの固定部が樹脂の場合や、
ネジ固定部以外のPCBの特定の位置をグランドと繋ぎたい場合は、
グランド用の『板バネ板金』を用意します。

厚みは0.5ほどの柔らかい板バネで接点を作ります。

注意点として、
板バネは振動などによって瞬間的に離れる可能性があります。

そこでグランド用の板バネは複数個所に設けたり、
独立した2点で接触するよう形状を工夫します。

EMC対策設計 金属部品を電気的に接続する(静止部)

樹脂部品に固定されたPCBや金属部品同士も導通部材で接続します。

静止部同士であれば、『板バネ』で止めてしまうのが安くて簡単です。

離れた部品同士の場合、『ワイヤ』『導通テープ』を利用する手もあります。

EMC対策設計 金属部品を電気的に接続する(可動部)

可動部の金属も浮いてはいけません。
動作の邪魔にならない位置に接続部を設けます。

回転体の場合は、軸の両端に接点を設けることで、
摩擦抵抗をおさえることができます。

注意点として、接点には導電性のグリスを塗布しましょう。
摩耗やサビなどで、接点が機能しなくなる恐れがあります。

ベン
ベン

次回はESD対策の設計について解説するぞ

コメント

  1. […] […]

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました