気にしていますか?エジェクタピン(Eピン)の配置と部品設計

筐体設計

エジェクタピン(Eピン)をどこに置くか、気にしたことはありますか?
実はとんでもない品質問題につがなることがあります。

今回はまずエジェクタピンについて説明した上で、
部品を設計する際にエジェクタピンについて注意することを勉強していきます。
エジェクタピンに関する部品設計時の注意点をおさえることで、
設計品質を高めていきましょう。

ハジメ
ハジメ

僕が設計した部品を、メーカーさんに作ってもらうために打ち合わせをしていたら

メーカー
メーカー

Eピンはどこにしますか?

ハジメ
ハジメ

って聞かれたんですけど、Eピンってなんですか?

ベン
ベン

Eピン、エジェクタピンってのは
成形部品を金型から突き出して取り出すためのピン状の部品だよ

エジェクタピン(Eピン)とは


エジェクタピンとは、金型から成形部品を取り出すための部品のことです。
Eピン(イーピン)ともよく言われます。

樹脂部品はドロドロに溶けた樹脂を金型に流しこみ、
冷まして固めて作ります。

固まった樹脂部品は金型にくっついているので、
エジェクタピンで突き出して、取外します。

下のGIFアニメーションで動作のイメージを掴んでください。


なぜエジェクタピン(Eピン)の配置が重要か


エジェクタピン(Eピン)を部品のどこに配置するのかが、なぜ重要なのでしょうか?
実際の樹脂部品を見て考えてみましょう。

ハジメ
ハジメ

部品が金型から外れればどこでもいいんじゃないですか?

ベン
ベン

これはゲームコントローラの部品だけど
この部品のエジェクタピンで突き出した場所を見てごらん

ハジメ
ハジメ

エジェクタピンで突いた後が、凸になっています・・・
こっちはバリもついてますよ!?

ベン
ベン

エジェクタピンで突き出すときには、部品はまだ熱々で柔らかいからな
エジェクタピンで突いた跡が変形して残ったり、バリが残ったりするんだ

ハジメ
ハジメ

図面にバリ不可とか指示してはダメなんでしょうか・・・?

ベン
ベン

職人さんが一つ一つ手でバリを取ってくれるかもしれないが、
すごくコストがかかるぞ?

それより、変形やヘコ、バリが発生しても問題ないような設計をするべきだな

エジェクタピンで突いた箇所には、
凹凸段差、変形、バリの発生などが起こることがあります。

これを完全に防ぐことは難しいので、
こうした不具合が出ても問題にならないよう設計するのが重要です。

エジェクタピン(Eピン)配置の基本

エジェクタピン(Eピン)は、全体にバランスよく、強度のあるトコロに配置するのが基本です。


エジェクタピンは金型から部品を突き出して取り外します。
そのため、部品の端っこや片側だけでなく、全体に満遍なく配置する必要があります。
また、突き出し時は部品は熱々で変形しやすいので、強度のある箇所に配置することも重要です。

先ほどのゲームコンローラの例では、部品の形状をなるべくお椀型にして、
強度のある側壁付近をバランスよく突き出しています。


他にもリブやボスの先端に設けて、突き出すこともあります。
エジェクタピンの箇所は金型にわずかに隙間ができるので、成形時のガスの逃げ道にできます。
リブやボスは強度があるとともに、ガスの逃げ場がない場所なので、都合がいいです。

エジェクタピン(Eピン)配置NGの箇所

次にエジェクタピンを配置してはいけない箇所を説明していきます。

基本的には機能面(製品・部品として機能を持つ面)
意匠面(外観など人の目に触れる場所)には配置してはいけません。

先ほど説明したように、エジェクタピンで突いた跡は、
凹凸段差、変形、バリなどが残る可能性があります。

機能面に設けると、必要な機能が発揮できず品質問題につながることがあります。

意匠面にエジェクタピン跡があると、単純に見た目が美しくないのと、
人が肌で触れた際に気になるのが問題です。

代表的な品質問題の例を見ていきましょう。

例えば、摺動部(部品同士がすべる/こすれる場所)バリがあると
摩擦が変わったり、引っ掛かったりすることがあります。

図のように、どうしてもスナップフィットの爪にEピンが必要な場合は、
強度の低い先端側や、摺動部をさけて配置します。


防水が必要な部品で防水パッキンなどが来る場所にエジェクタピンを配置すると、
段差によって水漏れが発生する恐れがあります。

精度が必要な部品を組み立てる際に、取り付け面にエジェクタピン跡があると、
段差やバリを踏んづけて、精度が狂うことがあります。


図のように、お椀型の部品で
青色のフランジ部分(ツバの部分)で他の部品と組む場合は、
青色部分にはEピンを設けません。

機能のない面で強度の高い側壁付近にバランスよく配置します。


他にもケーブルが近くを通る箇所にエジェクタピンのバリがあると、
振動でこすれてケーブルが傷つくことがあります。

ハジメ
ハジメ

うわー 
ケーブルなんかは注意していないと結構見落としそうですね・・・

それでもエジェクタピン(Eピン)を配置したい場合の設計

機能面ばかりだけど、なんとかエジェクタピンを配置したい場合に、
どんな方法があるでしょうか?

いくつか紹介するので見ていきましょう。

この例では機能面の一部を犠牲にして、ヘコ部を設けて、
ヘコ部のみエジェクタピン配置可としています。


バリや凸になったときだけ、不都合がある場合は、
「エジェクタピン跡はヘコのみ可」などとする方法もあります。

わざと深めにエジェクタピンを設定してもらうことでかならずヘコみになるように作ってもらいます。

他にもピンで突き出すのではなく、機能面全体を突き出してもらう方法もあります。
対応できるかは加工メーカー次第なので相談してみましょう。

エジェクタピン(Eピン)配置の図面指示

エジェクタピンの配置は加工メーカーにおまかせする設計者も多いと思います。
全てのエジェクタピン箇所を図面指示する必要はありません。
しかし、エジェクタピンを配置できない箇所がある場合は、明確に指示する必要があります

エジェクタピン配置OKのエリアを指示する

エジェクタピンを配置できるエリアの方が限定的で狭い場合は、
配置可能なエリアを図示しましょう。

ハッチング・斜線などで配置可能な箇所を塗りつぶして、
「ハッチング部のみEピン配置可」などと指示するといいでしょう。

エジェクタピン配置NGのエリアを指示する

エジェクタピンを配置できないエリアの方が限定的な場合は、
配置不可能なエリアを図示しましょう。

ハッチングなどで場所を指示し、「摺動部につきEピン不可」などと記載すると親切です。

まとめ

ベン
ベン

エジェクタピンの配置についてまとめるぞ

  • 全体にバランスよく配置する
  • 強度のある箇所に配置する
  • 機能面には配置しない
  • 意匠面には配置しない
  • メーカーとよく相談して決める


ハジメ
ハジメ

エジェクタピン跡なんて、これまで気にしたこともありませんでした

ベン
ベン

これだけでも結構奥が深いだろ

ベン
ベン

世の中にある金型でつくった部品には、必ずエジェクタピン跡があるから
いろいろ見てみるのも勉強になるぞ!



コメント

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