ケーブル・配線周りのメカ設計

ケーブル

ケーブル・配線まわりのメカ設計について、解説していきます。

メカ設計者は樹脂や金属のカッチリと形の決まった部品を設計することが多いです。
柔軟に形を変えるケーブル・配線まわりの設計にはちょっと変わった知識が必要になります。

1つ1つは難しくはありませんが、知っているだけで品質に大きな差がでるところです。
しっかり抑えておきましょう。

這いまわしたケーブルのモデルを描く

這いまわしたケーブルのモデルを描きましょう。

ハジメ
ハジメ

ケーブルはグニャグニャ曲げて形を変えられるから、
いちいちモデリングしなくても、適当でいいんじゃないですか?

ベン
ベン

それが設計ミスのもとなんだなー


ケーブルのモデルを描くことで、
ケーブルの這いまわしの懸念点が明らかになったり、
対策の妥当性を可視化することができます。

この後解説しているケーブルまわりのメカ設計の注意点を確認するためにも、
必ずケーブルのモデルを描きましょう。

ケーブルまわりのエッジや角部を丸み形状にする

板金のエッジ部品の角部がケーブルの近くにある場合は、
エッジや角を大きな丸み形状に変更します。

振動などでケーブルがエッジや角部にこすれると、
長い時間をかけてケーブルが断線することがあります。

例えば、板金のエッジが当たる箇所は曲げを追加して、
エッジが当たらないようにします。

モールド部品の角部はRをつけましょう。

エッジから保護する

ケーブルまわりの部品のエッジや角部を排除できない場合は、
保護部品やケーブルクランプを追加します。

クランプは次のようなモノが市販されています。

部品の形状でケーブルガイドをつくる場合は、
モールド部品に次のような形状をもたせることが多いです。

部品にフック形状を設ける。

食い切りを利用して、引掛け形状をつける

食いきりがよく分からない方は
この記事を参考にしてください。

合わせて読みたい
知ったかぶりはダメ!金型の食い切りとは?注意点も解説
金型の食い切りの意味と設計時の注意点を紹介します。

食いきりについては、コチラで詳しく解説しています。
食いきりを理解することで、モールド部品1つに複雑な引掛け形状をつけることができます。

ベン
ベン

どの場合でも、
エッジには徹底的にRをつけるようにしような

ケーブルの曲げRは大きく


ケーブルを小さな曲げRで曲げてはいけません

内部で線が傷ついて、断線を起こすリスクがあります。
元に戻ろうとする力が働くので、組立も難しくなります。

ケーブルの直径Dに対して、5D~10Dの曲げRを目安にしましょう。

ケーブルの余長に配慮する


ケーブルの長さにはバラツキがあります。
バラツキの中で最も短いケーブルがきても
コネクタに届くように余分な長さ(余長)を持たせます。


またコネクタに接続するには、取付作業を行うためにも
少し余長が必要になります。

結果として、ケーブルには余長あまりの部分が必ずできてしまいます。

コネクタ接続後に、ケーブルが余っていても問題が無いか、周囲の部品を確認しましょう。
必要に応じて余長を押し込むためのスペースや、ケーブルガイドを用意します。

ケーブルの可動範囲を描こう


ケーブルは理想の状態に加えて、可動しうる範囲の形状も描いておきます。

ケーブルは金属・モールド部品と違い、柔軟に形が変わります。

予想しなかった位置にケーブルがくることで、
エッジに当たったり、部品に挟み込まれて断線することがあります。

クランプやケーブルガイド間で、
ケーブルが取りうる最大の形状をモデリングします。

エッジなどに当たらないか確認し、
避けられない場合はクランプやガイドを追加します。

クランプ位置には目印をつける

ケーブルのクランプする位置には指標となる目印をつけます。

クランプする位置を明確にすることで、
組立時に短く止めすぎて、ケーブルが届かなくなったりするミスを防ぐことができます。

束線のケーブルをまとめるテープを指標としてクランプしたり、
ケーブルにマーカーで色をつけて目印にすることがあります。

ちなみに、
クランプした後でケーブルの位置・形状が確認できる形状になっていると、
よりよい設計だと言えるでしょう。

テープの幅を工夫したり、クランプ部品に開口をつけることで、
組立後にもケーブルを確認できるようになります。

ケーブルが通る駆動部にはケーブルクランプ

駆動部をまたぐようにケーブルを這いまわす場合は、
ケーブルクランプでケーブルの可動部を限定します。


駆動にともなってケーブルがねじれたり、繰り返し曲がることで、ケーブルが断線してしまいます。
ケーブルのねじれ方、曲がり方を一定にするためにケーブルクランプでケーブルを固定します。

図では回転部分にケーブルを通す際に、上下をケーブルクランプで止めています。

このクランプで止めれば、ケーブルが過度に引張られたり、
余ったケーブルが内壁とこすれる心配がありません。

ケーブルに抜け止めをつける

ケーブルがユーザに引張られたり、押し込まれたりしても、
動かないように抜け止めをつけましょう

見落としがちですが、ケーブルが引張られた際に、抜け止めがついていないと、
ケーブルがすっぽ抜けたりコネクタなどに大きな負荷がかかってしまいます。

出口付近でクランプで止めたり、大きなカーブをつけて抜け止めがつくれます。

形状での対処が難しい場合は、
タイラップ(結束バンド)をケーブルに取り付けることで、抜け止めにできます。

タイラップ(結束バンド)はこんなやつです。


ちなみに100円ショップのイヤホンを分解したところ、
抜け止めのためにケーブルが固結びされていました。


製品の品質によっては、この対策が取れないモノも多いでしょうが、
100円ショップのコスト削減アイデアには毎度 驚かされます。

まとめ

  • ケーブルのモデルを描く
  • まわりのエッジや角部を曲げ形状、R形状で排除する
  • カバー部品やクランプ部品でエッジや角部から保護する
  • ケーブルの曲げRは直径Dの5~10倍とる
  • ケーブルの余長に配慮する
  • クランプする場所に目印をつける
  • 駆動部の両端にはクランプをつける
  • ケーブルに抜け止めをつける

いかがでしたか?
形の変わらないモールドや金属の部品と違い
ケーブルは柔軟に形が変わります。

ケーブルが思わぬトコロに届いて、挟み込まれて問題になることもありあます。
今回まとめたケーブル設計の注意点をよく確認しましょう。

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