図面を見慣れていない初心者向けに、図面のRの意味を解説します。
Rをつける意味、図面での使い方、注意点も紹介します。
記号Rの意味・用法を正しく理解し、
図面を正確に読み解けるようになりましょう!


図面に書いてある『3R』とか『4x10R』ってなんですか?

それは角に『丸み』をつけるってことだよ
図面に書かれているRの意味とは?

図面に書かれているRは、『角に丸みをつける』という意味です。

Rの後の数字は、丸みの半径を示しています。
R5なら半径5mmの丸みです。

ちなみにRはRadius(半径)の頭文字です。
そもそもRをつける意味は?
ケガの防止
Rをつける主な理由の1つは『ケガの防止』です。
Rがついていない90°の角は『ピン角』と呼ばれ、
鋭くとがっています。
人の手や体が当たってケガをしないように、人が触れる部分にはRがつけられます。
例えば、子供が遊ぶオモチャ、カップの飲み口には
大きなRがついています。


加工するのに必要
Rをつけるもう1つの理由は、『部品を加工する上で必要だから』です。
例えば、部品を削る工具の形状に丸みがついていると、部品にもRがつきます。
ドリル(エンドミル)で部品を削ると、どうしても90°の角が作れません。

図面におけるR指示の基本
ここからは図面中のRの表記方法について説明していきます。
図面中にRを指示する場合は、例えば以下のように示します。

図面のRの前に 『4x』や『4-』がついている
同じRがいくつもある場合に、
『数字xR』や『数字-R』でまとめて指示できます。
下のブロックは4つの角が全てR5です。
この場合は『4xR5』や『4-R5』と書くことができます。

判別できれば3xR10などとしてもOKです。

逆に図面の読み手に分からない場合は、
個別に指示する必要があります。


どのRが3mmで、どのRが5mmなのか分からないや・・・?
図面のRの角度
Rをつける角は90°である必要はありません。
例えば45°の箇所にRをつける場合は下図のようになります。

ちなみに90°以外の時は、寸法は架空点を用いて指示します。
間違ってもRの開始位置などに寸法を入れないようにしましょう。
実物ではRの開始位置はどこか分かりません・・・。


どこを測ればいいんだ・・・??
角部ではなく円の場合
穴や外形が円の場合は、記号Φ(マル)を用いて指示します。

数字がないR/カッコつきのR (R)
数字がないR、特にカッコ()がついた記号 (R)が書かれている場合は、
『なめらかなRで繋ぐ』という意味になります。


幅10mmの穴の端に(R)がついている場合は、
R5でなめらかに丸みをつけて繋いでねという意味です。
Rの補助線が折れ曲がっている
非常に大きいRをつける場合に、Rの中心が図面におさまらないことがあります。
この場合は、Rの補助線を折り曲げた上で、
Rの中心を近くに書いて、中心までの位置を寸法で示します。


円弧中心までの距離だけ縮尺が変わってしまうので、
それが分かるように補助線を折り曲げます。
Rの測定方法
測定方法はココでは語りつくせないので、別の機会に詳しく扱います。
大きく以下の3つの方法で測定されます。
ノギスで測れる場合はノギスで測定します。
ゲージというのは、すでに形状が分かっているブロックのことです。
Rが正確に加工されたゲージを当てて、加工物のRの大きさを確認します。
工具顕微鏡はXYのステージがついた顕微鏡です。
Rのフチに沿って座標を登録していくと、自動でRの大きさが計算されます。
まとめ
図面を見慣れない初心者向けに、図面のRの意味・図面での使い方を解説しました。
ちなみに、図面中の記号Cについてはコチラの記事で詳しく説明しています。
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